今年のスーパーボウルは史上初の延長戦。結果は先攻のペイトリオッツがタッチダウンを決めて優勝を決めましたが、何か釈然としないものを感じました。
なぜ先攻だけで試合が終了するのか?
釈然としない理由は、最初にオフェンスだったチームがタッチダウンを決めた場合そのまま試合終了となるところです。オフェンス・ディフェンスはコイントスで決まるので、完全に運次第。ディフェンスのチームがオフェンスに回るチャンスが全く与えられずに試合が終了するのは果たして公平なのでしょうか?
特にアトランタ・ファルコンズはリーグ屈指の攻撃を誇るチームだっただけに、オフェンスに回った場合タッチダウン→同点という流れは少なからずあったと思います。
現在のNFLの延長戦のルールでは、延長戦オープニングドライブで最初にオフェンスだったチームが無得点の場合、次はディフェンスチームの攻撃、オフェンスチームがフィールドゴールを決めた場合も次はディフェンスチームの攻撃、となります。つまり、最初にオフェンスだったチームがタッチダウンを決めた場合のみ試合はそこで終了する訳です。
ルール改正
実は、このルールは2009年シーズン後に改正されたものです。それまでは、最初にオフェンスのチームがフィールドゴールを決めた場合もそこで試合が終了でした。しかし、2009年シーズンのNFCのカンファレンス決勝のニューオリンズ・セインツ対ミネソタ・バイキングスで最初にオフェンスだったセインツがフィールドゴールを決めて31-28で試合が終了して物議を醸しました。
これを受けてNFLは、オープニングドライブでのフィールドゴールでの得点の場合、ディフェンスのチームがオフェンスできるようにルールを改正しました。しかし、タッチダウンの場合はルールは変わらず、現在も試合終了が維持されています。
試合が終了してしまう理由は?
最初のオフェンスでタッチダウンが決まった場合試合終了となるのは、様々な理由があります。カレッジフットボールの過去のデータを見ると、先攻のチームがタッチダウンを決めた場合、後攻のチームがタッチダウンを決められる確率が低いこと、選手の無駄な怪我を避けるため、そして延長戦のためただでさえ長くなっているゲーム時間を更に延ばさないため(これにはTV放映時間との兼ね合いもあるのだろうと思います)、が挙げられています。
改正案は?
ただし、この理由を見てもやはり不公平感を感じます。野球の試合でも10回表に得点が入っても、そこで試合が終了するわけではなく、10回裏があるわけで、このあたりに違和感は感じます。
改正案として、プレーオフに限って、あるいはカンファレンス決勝以降に限って、延長戦の場合は、タッチダウンの有無に限らず、両チームにオフェンスの機会を与えるというのがいいのでは、と思います。
今回のスーパーボウルで史上初めて延長戦が行われたことで、不公平感を感じた人は他にもいたようで、まだ大きな動きにはなっていないものの、問題提起にはなった気がします。