大リーグのマイナーリーグの審判の新労使協定が合意にいたりました。メジャーリーグの審判の給与さえ話題になることがほとんどありませんが、ましてやマイナーリーグの給与・待遇などは、今回のような新労使協定締結の時くらいしか話題になりません。新しい協定は何が改定されて、どのような給与体系になったのでしょうか?
これまでの給与は?
新労使協定締結前までは、最も下部リーグに当たるルーキーリーグあるいはAクラスのショートシーズンで月額1900ドルから2100ドル、Aクラス(フルシーズン)で月額2000ドルから2400ドル、AAクラスで月額2300ドルから2700ドル、AAAクラスで月額2600ドルから3500ドルという給与でした。給与に幅があるのは、勤続年数によって每年昇給していくためです。
一見悪くないように見えますが、どのクラスもリーグ開催は長くて半年ほど、残りの期間は他の仕事を見つけなくてはなりません。それでも、メジャーリーグの審判を目指して、審判の専門コースを受講して、マイナーリーグの審判からキャリアをスタートする人は後を絶ちません。
新労使協定
今回の新労使協定で決まった新しい給与体系は、ルーキーリーグ・Aクラスのショートシーズンが月額2000ドルから2300ドル、Aクラスのフルシーズンが月額2100ドルから2600ドル、AAクラスが月額2500ドルから3100ドル、AAAクラスで2900ドルから3900ドルとなりました。
これに加えて、試合が行われる日の1日当たりの手当が、これまでより2ドル増えて、Aクラスで44ドル50セント、AAクラスで50ドル、AAAクラスで58ドルとなります。
この他に、シーズン中に5日までの有給取得の許可、30日以上連続の勤務の禁止、審判のユニフォーム供給を止めて、ユニフォーム代金を支給する、脳震盪にそなえて氷を備えた冷蔵庫を球場に用意する、などが盛り込まれました。面白い要項として、遠征の場合のホテルには、室内の廊下があること、というものがあります。アメリカでよく見かける、ホテルの部屋の入り口が駐車場に面している、モーテル形式のホテル利用を禁止するということです。実質的な、ホテルランクのアップグレードとなります。
大リーグ審判の給与は?
メジャーリーグの審判の給与は、新人が1シーズンで12万ドルくらいと、AAAクラスと比較にならないほどの給与アップとなります。経験を積んだ主審ともなると、1シーズンで35万ドルとなり、この他に、プレーオフ手当てや20日の有給など、マイナーリーグと比べると雲泥の待遇差です。メジャーリーグの審判の待遇は、アメリカの他のメジャースポーツの審判と比べても、格段に良い条件と言われています。
日本プロ野球の審判の給与は?
参考までに、日本のプロ野球の審判の収入は、1軍が750万円、2軍が345万円、これに試合手当が1軍で2万4千円から3万4千円、2軍が2000円となります。1軍の審判であれば、年間で1000万円を超える収入となり、大リーグほどではありませんが、充分な収入といえると思います。2軍の審判で400万円ほどで、充分とは言えないまでも、マイナーリーグの審判に比べると比較的良い条件だと思います。