先週の金曜日のNFLのプレシーズンマッチの49ers VS グリーンベイ・パッカーズで、試合前の国歌斉唱で49ers のQBコリン・キュパニックが起立しなかったことに対して、賛否両論の意見が上がっています。
起立拒否の理由は?
”Black Live Matters”(黒人の命だって尊い!)という市民運動が、2年ほど前からアメリカでは盛んになっています。警察官による無抵抗の黒人への銃殺など、未だ根深い人種差別の問題への抗議を表す運動です。キュパニックもまた、彼流の方法で、この運動への支持を表明しています。黒人への差別を解決できない国の国歌に敬意を払うことができない、という理由での不起立だったと述べています。
割れる世論
この行動に対して、チームは彼の態度を擁護、特別な処分は検討しないことを明らかにしています。その一方で、この態度に対して世論は真っ二つ。Black Live Matters運動への追い風になると評価する人がいる一方で、アメリカ国歌に命を捧げた兵士・遺族への冒涜と批判する声もあります。
もともとは黒人の父親と白人の母親の間に生まれ、白人家庭で養子として育てられたキュパニックには、大多数の黒人とは違う社会環境で育ってきたことを指して、批判している人々もいます。
強い問題意識が生んだ行動
この問題の良い悪いは別として、影響力のある人が、こういう社会問題に対する行動を起こすと、賛否両論がおこり更にクローズアップされますね。大多数の選手が社会問題とスポーツを切り離そうとする一方で、自身が社会を構成する一員であることを強く意識した行動をとったキュパニック、今年はフィールド以外での活躍もありそうです。